無料 WiFi実現へのソリューションに・・・
20枚の メディアを自動バックアップ MSDR20
昨今のドライブレコーダーの普及の結果、ドライブレコーダーを搭載した車両を管理する方から、メディアに記録された情報を夜間のうちに社内のサーバーに上げておきたい、との要望があり、写真のような カードリーダーを作ってみました。 表向きは MMC用です。
近頃では、このような用途に用いる ICも、足の出ている QFPタイプがなく、使いたいものは QFNタイプなど、足がなく、手半田が難しい種類が多くなってきています。 そんな訳で、今回は部品を自動(機械)マウントし、プリント基板を作ることになりました。(下の写真の基板です。クリックで拡大します)
とにかく始めてづくしで、プリント基板設計の段階から自動マウントを考慮した設計を行ない、なんとか形になりました。
この MSDR20 は、20枚の MMCカードを扱うのですが、同時接続すると、Windows OSでは ドライブレターを食い尽くすので、逐次、接続を切り替える処理を行なっています。 バックアップ用のアプリケーションは、Simpleさんにお願いしました。
弊社の PCで、Class10 程度の転送スピードを持つメディアですと、1GB/min 程度のスピードでバックアップしています。 16GBのメディアを 20枚バックアップすると、5時間半程度必要ですが、勝手にやってくれる便利さは、それなりに価値ありかも・・・
現在、これを複数台接続し、さらに多くのメディアを連続バックアップできることを画策中です。
Eye-Fi Cardで映像転送
久しぶりのコラムですが、ようやくお見せできるようになりましたので・・・
デジカメに挿入すると、撮影した画を PCやスマホに自動転送する Eye-Fi Cardという便利なカードがあるのをご存知と思いますが、これをドライブレコーダーなどのビデオ収録できる機器で使おうとすると、なかなかうまくいきません。
そこで、さまざまな記録機器で利用できる Eye-Fi Card用のアダプターを作成して みました。 ただし、Eye-Fi Cardの基本仕様である SDHCカード または MicroSDHCカードにのみ対応しています。
私のところでは、以前のコラムに書いたドライブレコーダーに加え、この春から、HDで収録できるドライブレコーダーである View-iに対応したものをアダプター形式で作成しました。
View-i に取り付けた状況を左前方から見ると
右後方から見ると
ケースの中身はこんな感じです。 ちなみにこの基板は MicroSD対応のものです。
写真のように、View-iのカードスロットに SDカードの形をした基板を挿入し、電源ケーブルを接続すると、アダプター側がエンジンの始動/停止を検出して View-iの電源を制御し、アダプター上の Eye-Fi Cardに記録します。
エンジンが止まったら、記録したファイルを Eye-Fi Cardが転送できるように加工しています。これにより、Eye-Fi Cardは、デジカメで撮った映像であると認識し、転送を 始めるというものです。
今回は View-i用に最適化したソフトを積んでいますが、SDHCカード または MicroSDHCカードに記録する機器であれば、ほとんどの機器で Eye-Fi Cardの機能を使うことが出来そうです。
なお、Eye-Fi Cardでの転送は、通常、Eye-Fi Viewというサーバー機能を使って転送されますが、設定次第では 私的な閉じた LAN でも転送が可能ですので、転送画像のセキュリティーも守れそうです。
WiFi 転送機能を付けてみました
前のコラムでお伝えした 「GPS情報を同時に記録できるカメラ」 に、WiFiでの アップロード機能を付けてみました。
Eye-Fi社の Eye-Fi Pro X2 を WiFiデバイスとして用い、このカードに記録した GPS付きの映像情報を、アップロード対象として認識できるように細工しています。
現状では、ドライブレコーダーとして、弊社の 2台の車に装着し、使い勝手などを 検証中です。
システムとしては、下図のようになります。
車が戻って来て、アクセスポイントの通信範囲に入ると、記録済みの映像情報を 自動的にアップロードしてくれます。
アップロードされた GPS付きの映像情報 のファイルをドラッグ&ドロップすると、 緯度・経度情報を時刻と共に CSV で抜き出すところまで出来ています。
さて、何に使えるのか・・・
Eye-Fi Pro X2 を使っていますので、出先でも公衆無線 LANに接続できるところに 駐車すれば、そこから会社の PCにGPS付きの映像情報 が送られて来るはずですが、まだこのテストには到っていません。
面白い使い方はありませんでしょうか?
取材した時にパラでGPS情報と画音を記録できるカメラを作ってみました
ちょっと面白いものを作ってみました。
GPS情報を同時に記録できるカメラです。
放送業務用のカメラであれば、ほとんどの機種に装備されている DC12V出力コネクターと、ウルトラライト用のコネクターに接続して使います。
収録時にライトが点灯する設定にすると、シャッターボタンに連動して固定焦点の映像と音声、GPS情報を内蔵のMicro SD カードに記録します。(1GBで約1時間の記録が可能です)
Micro SD カードを、インターネットに接続された PC上の 専用のアプリケーションで再生すると、下の画面キャプチャーのように、収録された映像に同期して、地図上にその場所が表示されます。
下の画面は、5月の中頃に東日本大震災で被災した東松島近辺を移動しながら収録したものです。
地図の部分は、航空写真に切り替えることも出来、震災の直後は、被災前の状況を確認できました。
なぜ、このようなものを作ったのか?
実は、1994年頃、フジテレビのニュースシステムにかかわっていたとき、その前年に発生した北海道南西沖地震をヘリから取材した素材が 「どこを撮影しているかわからないから」 使えなかった・・・と言う話を聞き、当時メタデータの利用が取沙汰されていた事もあり、ずっと頭に残っていました。
今年の初めに知り合いから 本機の元になった GPSレコーダーを紹介され、越年の課題の一つが晴らせ、お役に立つかも・・・と考え、実際の収録現場で使えるよう、カメラでの収録に連動するよう、改造していました。
この GPSレコーダーは、単4バッテリー 2本か、外部からの 3.3Vで動作する仕様でしたが、プロ用のカメラに直接つないで使えるよう、12V対応とし、また、収録に連動するよう、バッテリースペースに DC-DCコンバーターと制御用のマイコンを組み込んでいます。
報道取材でも、取材に専念するあまり、収録場所が特定できないことがあると思いますし、空撮などではなおさら位置確認が難しいと思います。 このシステムを使うと、収録素材の実時間タイムコードをもとに、PC上のアプリを操作し、その時刻の映像を再生すると、Google Map の地図または写真が表示され、GPSの精度範囲で場所を特定できます。
さて、これ、使ってみたい!とおっしゃる方は、http://i-2.jp/contact/ の お問い合わせメールフォームで連絡いただければ、お貸しできる期間などを含め、調整させていただきたいと思います。
8年越し
有限会社 i 2 の設立時よりの念願であったホームページを創業 9年目に当たる記念の日にようやく開設することが出来ました。
実に 8年越しです。
会社を設立した頃は、薄型テレビの黎明期で、まだ BSデジタルが伸び悩んでいた頃のように記憶しますが、この間に放送のデジタル化に呼応し、テレビをネットワークにつなぐ規格も整い、ネットとテレビの融合という掛け声も技術的には可能になり、この環境を使ったビジネスモデルが模索されているのではないかと思います。
放送局の方も、地デジ化やこれに伴う HD化などの設備更新を終え、いよいよその仕組みを使った投資回収のステップに入ろうとしているのではないでしょうか?
私ども i 2 は、テレビが培ってきたお茶の間でのポジションを生かし、究極の情報インターフェースデバイスとして有効かつ積極的に利用し、世の中の役に立つ仕組みを作って行きたいと考えています。
このコラム欄では、その時々のトピックスへのコメントと共に、この30年あまりの間の放送業界でのエピソードなども紹介して行きたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
また、ご意見、ご感想などをお寄せいただければ幸いです。